8:とっつきにくいものにとっつけた時の嬉しさ

▼今日の写真:はじめてのtheo
theoとは鋭さとポップさが共存する(と個人的には思っている)、メタルフレームが特徴のベルギーの眼鏡フレームブランドです。ずっとずっと憧れつつ、なかなか「コレ!」というフレームに出会えなかったのですが…ついに発見して、購入に至りました。

theoらしいメタルながらも、形は楕円というかけやすさ。それでも縦幅がぐっと狭く、弦の部分もやや下につけたデザインが素敵。そしてとても軽い!

しかし視力がひどく落ちていたため一気に3段階上げとなりました。慣れるまでおうちのみ&慣れてからもしばらくは外歩き時のみの着用になりそうです。


▼今日の感動:昔知った「良い」ものを今経験できる幸せ
いつもいくつか並行して本を読んでいるのですが、今読んでいる一冊に谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』があります。文学部卒業のくせに、恥ずかしながら谷崎作品は一冊も読んだことがありませんでした。どなたかが薦めていらして、それで興味を持ってAmazonほしい物リストに追加したんだったか、どうだったか…。そこにTwitterのFollowerさんが、クリスマスプレゼントのお返しとしてお年玉的に送ってくださったのでした。

有名な作品なのでちょっと尻込みしていたのですが、読んでみると大変読みやすい。迷いのない文章、だけれども前置きのしっかりした筋立て。建物の描写もシンプルだけれどありありと浮かんできて、さすがとても素敵だなあ、と思って読んでいます。

ふと、とても贅沢な時間を過ごしているように思いました。誰かに強要されるでもなく、読みたいと思った本を経験する幸せ(しかも人に贈ってもらった!)。昔仲違いしたまま転校していった子に大人になってから会いに行ったような、気恥ずかしさと嬉しさもあります。
歴史を学んで名前だけ知っているけれど実際は見たことがないものというものは人生の中でけっこうあると思います。私のように文学もそうですし、あるいは絵画や音楽といったものにもあるでしょう。

もちろん、若い頃からひるまずに何でも経験できれば一番いいのかもしれません。でも、「難しそう」「つまらなさそう」と触れていなかったものが、実は面白かった。この経験が、ちょっと今日は新鮮でとても楽しかったのでした。また何か再会できるかな?

▼あとがき
今日は思いもがけない訃報があり、驚いたり悲しんだり。
そのうち会えたらいいなあとか思ってたんやけどね。残念。どうか、今、安らかでありますように。心から願っています。