夕焼け

世田谷線で、帰ろうか」
今日は同僚が珍しく希望を出してきた。

年末に実家に帰ったら、コンドルズのDMが届いていた。学生時代には毎年観に行っていたが、社会人になりかつかつの給与で働くようになってからはとんと足が遠のいていた。

はっきり言って、ちょっと飽きる。フリが似ていたり、映像を使いまわしていたり。コントだけは毎作書き下ろし。

それでも、そのがむしゃらな生命力のようなものが、すっかり人間関係をうまく作れなかった学生時代の私を元気にしてくれた。

同僚はここ一年ぐらい、以前に比べて元気がない。色々心労が重なる状況なのは、本人から聞いていた。本人に大変じゃないかと聞いても全然平気、としか言わないからそれ以上踏み込めなかった。

そんなこんなで鎌倉に誘ってみたりなんだったりしている延長線上の今日だった。昔の私にチャージされた何かが、同じように少しでも力にならないかと思った。

笑い声を聞いている限りでは、素直にひとときでも楽しんではくれたようだったのでほっとした。

終演後、ミスドがいっぱいだったのでモスでバーガーと飲み物をお供に軽く話し、17時だし帰ろうか、というところで、珍しく世田谷線に乗りたがった。

改札の向こうの夕焼けがうつくしかった。

同僚は光の方へ向かっているのだろうか。光に追いつけず夜を迎えるのだろうか。

と、考えてやめた。あんまり心配しすぎるのも良くないので、そっと黙っていようと思う。いつも同僚がそうしてくれるように。