鎌倉ひとりぶらり旅(1)

(前回までのあらすじ:安野モヨコ先生の原画展が鎌倉で開催中、明日までと知りおもむろに鎌倉へ向かうことにした私。その他の行き先を江ノ電車内で決めていざ鎌倉)


人生二度目の江ノ電鎌倉駅。風鈴に見蕩れながらも改札を出て、おひとりですか?とお声がけ下さる人力車のお兄さんがたをかわしずんずんと進んでいきます。が、少しさみしい雰囲気…道間違えたかしら?でもDMにのっている地図的にはこっちなんだよなあ、と不安でぐるぐるしていましたが、先にお昼にすることにして少し交通量の多い住宅街の道を歩いていきます。

途中、美味しそうな気配漂うお店を見つけるも、ウェイティングが出ていたのでスルー。その後も路地が現れるたびに覗き込んではがっかりし続け、ようやく銭洗弁天方面に曲がる路地の奥に何やら小さく看板が出ているのを発見しました。

通りから見えたのは右上の水色の看板でした
近づいてみると、看板のイラストは万年筆。文房具屋さん?それはそれでときめく!と引き戸を開けてお邪魔します。

TUZURUさんというそのお店に入ってすぐ、目を奪われたのは小ぶりの万年筆でした。セーラーの廃盤品だというものが数本並べられていましたが、一番お手ごろなのは\1.000-!普段使い倒しているものの他におうち用に一本置いておきたいなあ…と思っていたので、赤モレスキンと色を合わせたりしながら淡いサーモンピンクのものをお買い上げ。
他にもアルパカのレターセットなど、気になったもののぐっと我慢。万年筆のマークを出していらっしゃるだけあって、やはりそちらに強い感じのお店でした。

横道から戻って、とりあえず大きく一周するように歩いてなにもなければ駅の反対側に向かおう、と決めたとたん、間口の小さな食堂があらわれました。

ちらりと見た感じ、カウンターのみの少ない席数のようです。外に出されているメニューも、大きく分けて鳥の唐揚げ定食に鯵の梅煮定食、そして小鉢定食の3種類というコンパクトさ。まだ混んでいないし入ってみよう、と意を決してドアを開けました。

お店に入ると、黙々と、余計な愛想を売り過ぎないお姉さんが一人で切り盛りしています。外から見た通り席数は少なく、うなぎの寝床どころか鯵の寝床といった体のカウンター6席。席についた人の後ろを通るのがかなり厳しいほどで、でもなんだか楽しくなりながらお姉さんに注文します。

小鉢セット、900円。がんも含め煮、豚肉とジャガイモのクミン炒め、焼きなすびたしの小鉢3種にごはん、お味噌汁、大根の浅漬けがついてきて、がっつり食べたい!という人でなければ腹八分目の量かと思います。お肉もお野菜もちょっとずつ、というところがとても嬉しい。そしておいしい。後から入ってきた人たちは結構鳥の唐揚げ定食を注文されていましたが、それもタレに漬けておいた鶏肉に粉をまぶして揚げるタイプの唐揚げでかなり美味しそうでした。



このお店なんていうんだろう、とけっこうずっと気になっていましたが、レジ横のカードでようやく「筍」ということを知ったのでした。いや、よく見ると灯り看板も出てたしメニューボードにも書いてあったけどね。うん。おばちゃん気がつかなかったのよ…。

おなかも満たしたので、気を取り直して原画展を開催しているというギャラリー・ヨコを探します!
(つづく)